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日本人は歴史から学ぼうとしない。

日本人は歴史から学ぼうとしない。

欧州各国で、他国のスリーマイル原発事故やチェリノブイリ原発事故や福島原発事故を、国民自らの問題として考え、国民が原発を廃止又は減少させる決議をしている。
興味深いことに、第二次世界大戦で日本と共に連合軍と戦った同じ敗戦国として、連合国側から敵国条項により、核兵器保有の夢を絶たれている日、独、伊三ケ国の中でも日本にだけ核兵器を持ちたいとあきらめない保守勢力が存在する。これにより、原発再稼働についてその対応は全く異なっている。

福島原発事故の後ただちに、ドイツではそれまで原発を推進していたメルケル首相は順次、原発を廃止することを決定し、自然再生エネルギーの割合を高めていく選択をした。イタリアでも福島原発事故の三ケ月後に原発再稼働を推進するベルルスコーニ首相に対し、国民投票を要求その結果、95%の国民が原発再稼働反対を決定した。

なぜ原発事故を体験し、世界で唯一のアメリカによる多くの民間人を対象にした原爆テロを二回も経験をした日本が原発を続けようとするのか?日本の保守勢力が、核武装したいという悲願を抱いていることもその理由の一つではあるが、それはアメリカからの強い命令があったからである。

そのアメリカが日本に原発を辞めさせない理由

1)日米原子力協定というのがある。この日米原子力協定っていうのは、原発をアメリカが日本に売るため、逆に日本から見ると、日本はアメリカから原発を買うためのルールです。「原発の慎重な再稼働こそが日本にとって責任ある正しい選択である。原子力の民間利用において、日本がロシア、韓国、フランス、中国に遅れる事態は回避すべきであり、日米両国は連携を強め、福島原発事故の教訓に基づき、国内外の原子炉の安全な設計と規制実施の面で指導力を発揮すべき」という二〇〇〇年、二〇〇七年、二〇一二年と三次にわたって出されたアーミテイジ・ナイ報告書(リチャード・アーミテージとジョセフ・ナイの二人の知日派による報告書)は「(原発の)再稼働こそ日本の責任ある正しい選択」と強調している。 「『日米原子力協定』の存在が、原発ゼロの障害になっています。矢部宏治著『日本はなぜ、“基地”と“原発”を止められないのか』がズバリ指摘していますが、この協定によって『アメリカ側の了承なしに日本側だけで決めていいのは電気料金だけ』という状態です。

日本の原発で使用するイエローケーキはアメリカから購入しなければならない約束がある。日本が原発に依存するほどアメリカは日本のエネルギーの生命線を握ることができる。アメリカは国益が対立した時に日本へのイエローケーキ輸出を止めれば日本経済を破綻させることができる。
2)欧米諸国に原発建設反対運動が起こったので、世界的な原発市場の縮小をカバーするために日本に対し、原発中心のエネルギー政策を要求、次々と新規の原発を造らせた。それと同時に、経営悪化するアメリカの原発メーカーを市場価格の二倍に近い異常に高額な買収金額に次々に日本企業に買収させた。

原発市場を操る国際組織が日本政府をアメリカの原発メ―カーの代理人として新興国への原発売り込みをさせる仕組みを完成させた。
日本政府が売り込んだ原発が同様な福島原発事故を起こした場合は日本政府が国家補償するような条件で契約をさせ、アメリカは一切のリスクと責任を回避し、利益だけが入るグローバル原発ビジネスモデルを作り上げることに成功したのだ。そのような世界的な流れの中で、増大するエネルギー需要を満たすためと、核兵器保有の道を開くために原発を欲しがる後進国が次々と出現した。
日本政府は「自国の国土と国民を地獄に陥れた原発」を日本経済復興のために、インドやアセアン諸国や中近東諸国に、アメリカの代理人として、世界中にアメリカ製の原子力発電所を輸出するために、ODA融資をつけて売り込みに奔走している。

二〇一六年春には、プルトニウムの夢のリサイクルを実現するべく建設された≪もんじゅ≫が破綻、廃炉になる決定がされる。そうなると、すでに残り保管スペースが三十%しかない青森県六ケ所村の工場に保管されていた使用済燃料が日本各地の十七ケ所の原発敷地内に戻される。政府はその受け入れ促進のために突然、放射性使用済燃料保管について地元の交付金を三倍にした。これにより、今後原発再稼働による使用済燃料も原発内で溜められることになる。
日本がもし、原子力発電市場で外貨を稼ぐと考えるなら、放射能汚染の無害化技術や十万年間、地下深い洞窟内で管理しなければならないという使用済燃料保管システムの技術革新の分野であるべきだ。

また、最大の国際貢献は福島原発事故の経験を生かした廃炉システムの技術やより安全性が向上した原子炉開発をすべきである。また、中国やドイツが力を入れているプルトニウムを作らない、コントロールが容易なトリウム原発の実用化、欧米でなされている大地を汚染から守るコアキャチャー方式のより安全な原発発電システム、さらに二〇一五年にアメリカの高校生が試作した低温のガスを使用する安全性が高い小型原子炉などの実用化技術などに研究投資をすべきである。

現在、九州電力は太陽光発電申請の新規受つけを中断している。九州の電力需要は省エネ技術革新や省エネ意識の向上で毎年低下している。二〇〇八年の最大需要1771万キロワットから二〇一五年では1500万キロワットにまで下がってきているのだ。九電が既に認可した太陽光発電設備容量は818万キロワット。
二〇一五年では最大発電量407万キロワットが記録された。九電は太陽光発電事業者から更に700万キロワットの太陽光発電の受け入れを拒否している。
理由は六基の既存の原発(廃炉がすでに決定している老朽化した玄海原発1号も含まれている)すべてが再稼働された時に送電線の容量が不足するからという理由である。九州は太陽光、地熱に恵まれている。東京の霞が関が全国一律に決めた二〇三〇年のエネルギー構成を原発が20%とすることこそ、おかしいのである。   

地域で異なるエネルギー資源が存在する。九州では太陽光発電や地熱発電のシェアーが大きいとする電力のエネルギー―構成が異なる方が自然である。事実、二〇一五年六月四日正午からの一時間の需要1016万キロワットの約40%の407万キロワットが太陽光発電か生産された電力で賄われた。
そしてこの二〇一五年の夏、原発ゼロの九州で、太陽光のお蔭で余裕の電力供給で電力需要のピークを安全に乗り越えることができた。太陽光発電量が増加する夏場には中国電力に売電すればいいのである。太陽光発電の電力を効率のいい蓄電システムを導入するべきである。テスラ社がアメリカで販売を始めた、格安の蓄電池と太陽光発電を組み合わせた技術や、太陽光発電から生まれる電気を水素や酸素にして蓄電できる燃料電池システムも導入すべきだ。
九州の有り余る豊かな太陽を、もっと有効に使えるような知恵や技術を検討しよう。

政府は「原発を無くす」から「原発をできるだけ減らす」に、そして今「できるだけ残す」と方針を変更した。

戦争は大国の「石油」の奪い合いのために画策される。
しかし、大国はその目的を隠蔽し、正義と大義の旗を掲げ、若者を戦場に送る。

「戦争」の反対は「平和」ではない。
「戦争」の反対は「話し合い、交渉」である。
「戦争」は単なる「手段」であるにすぎない。
「平和」の反対は「無秩序」である。
「戦争」は無秩序を作り出す。
原発事故も「戦争」と同じように、
国土と国民を「無秩序」の状態に陥れる。
原発を直ちにゼロにするべきである。
今ならまだ間にあうはずだ。

今ならまだ九州の原発をゼロにすることができる、

「人は集団で考え、集団で狂気に走る。
だが、分別を取り戻すのは一人ずつである」
歴史学者チャールズ・マツケイ

平成二十七年二月六日

by masashirou | 2016-02-08 20:21  

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