日本には四十年周期で、社会変動が発生する事実
その儀式とは、二十年間の停滞・安定の陰の「米の座時代」と、二十年の波乱と躍進の陽の「金の座時代」が、交互に繰り返す四十年の周期の遷宮儀式である。驚くべきことに、二〇一三年に予定されている第六十二回目の遷宮にかかる費用、約五五〇億円は、すべて全国からの民間からの寄付によってまかなわれる。この神社は、古来より、日本人の心の原風景なのである。二十年毎の遷宮により、古代の神社の建築技術は、確実に未来に、正確に伝承される。人間の世代交代は三十年である。二十年という短いサイクルだからこそ、永遠に、技術と文化の伝承が可能となる。まさに東洋の柔らかな知恵である。
硬い花崗岩を使用した、西洋の古代神殿建築技術は、人間の世代交代より長持ちするために、逆に、時代の流れとともに断絶する。東洋の、柔らかな朽ちる木の建築が石の建築に勝つのである。「柔よく剛を制す」という老子の哲学は、伊勢神宮の式年遷宮儀式の中に生きている。ロナルドは、それらの儀式の記憶が宇宙バンクに登録されたために、日本には、日本固有の四十年周期が形成されたと考えた。
by masashirou | 2010-05-28 18:41