未来の子供たちへ

未来子供たちへ

この物語は、君たちに負の財産を残したまま、去っていく団塊世代が残した遺書です。

この地熱開発物語のモデルになった大分県の立石池の滝上地熱発電所は運開して21年を迎える。平均の稼働率が95%、発電能力も15年目から不思議なことに、自然増加し二万五千キロワットが二万七千五〇〇キロワットになっている。さらに、二〇一六年には還元していた熱水を再利用しバイナリー発電を開始してさらに五千キロワットが増加する予定です。改めて地熱資源のベースエネルギーとしての素晴らしさを実感しています。
太陽光発電所は設備能力が十万キロワットでも、瞬間的な夏の電力がピークの時には、十万kW近い発電が出来ますが、年間の設備稼働率が20%しかないので二万KWになります。それに対して地熱は年間稼働率が95%と高いので、ベースロードの発電所として価値があるのです。ピークは太陽光、ベースは地熱と自然エネルギーの特質を組み合わせる知恵が必要です。

今から三十年前、一九八六年四月に世界中を恐怖に陥れるチェリノブイリ原発事故が起こりました。
この本の原本『龍の塔』はその年の一月に出版しました。ですから、チェリノブイリ原発事故は書かれていません。
この年代の事象と最近の事象が類似しているのに気がつきました。
歴史が繰り返されると言いますが、本当に似ているのです。

「女性のアキノ大統領がフィリピンに誕生、石油価格の大暴落、株価上昇、独裁者マルコム大統領が失脚したフイリッピン革命、円高、三原山の大噴火、スペース・シャトル爆発、チェリノブイリ原発事故など、さまざまな事件が日本を揺がした」と一九八六年の『龍の塔』のあとがきに書いています。実は、最近の出来事と、非常に類似しているのに改めて驚きます。女性の蔡総統が台湾に誕生、石油価格の大暴落、株価上昇、独裁国家の崩壊する革命が多発、(イラク、りビア、エジプト、シリア)、火山活動の活発化(阿蘇、箱根山、浅間山、口永良部島、御嶽山など、)円高、など。一九八六年に起こったチェリノブイリ原発事故の再発や宇宙ロケットの事故など類似の出来事が二〇一六年に無いように祈りたいものです。

白木正四郎のブログから二〇一二年に書いたブログの記事を転載します。

≪なぜ原発は日本にふさわしくないのか」という本が話題になっています。その理由は著者が明治天皇の玄孫さんで竹田恒泰さんであるからです。皇統を受け継ぐ方が脱原発について本を出されることに衝撃を受けました。反原発が左翼、原発推進が右翼という構図が福島原発事故で変わりつつあります。
たかが電力の選択枝にすぎない原発が尊い国土を喪失させ、未来の子供たちから笑顔を奪い、日本の故郷の原風景である農業や漁業や観光や文化までも一瞬して奪う原発事故。竹田恒泰氏はその理由を「原発はうつくしくないから」と、優しい文学的な表現をされています。

原発は差別を強いるからだと主張されています。未来の子孫たちに放射性物質汚染や、過疎地への原発事故リスクの負担、すべての国民が天皇の赤子であるはずの同じ国民である無名の原発労働者に放射能被ばく汚染を前提とした労働を強いることなど。海外のウラン鉱山の労働者や運搬する労働者たちにもリスクをしいている。原子力発電システムはすべての点で日本の和の精神文化から受け入れられないものを持っている。
この本では技術的な観点のみならず経済的観点や新エネルギーについての観点など単なる文化評論の域を遥かに超えた幅広い内容になっているのにも驚きました。
福島原発の一号機の発電コストは、1KWHあたり、電力会社が出した設置許可申請書からマスコミが報道する五円ではなく、10.32円、二号機が10.79円、三号機が14.55円であることなど指摘されています。驚きました。それに事故の補償金や天文学的な費用がかかる放射能廃棄コストや四千五百億円毎年もの地方交付金、危険なので遠隔地に原発を作るので東京電力だけでも遠距離の送電線や変電所コストが五千億円、また、停止不可能な原発のための夜間電力を使う揚水発電所などのコストを加えると非常に高い電力になっていることなどがデータを積み重ねて語られています。》


さて原発再稼働についてエネルギーに関係した技術者として私見を述べてみたいと思います。そのためにはまず、世界のエネルギー事情から原発の再稼働の是非を考えてみます。

二〇一四年
世界のエネルギー事情が劇的に変化した。
シェール革命である。

アメリカの原油および天然ガス生産量がサウジアラビアを抜き世界一になったのだ。埋可採埋蔵量四百年ともいわれる世界中の大陸に眠るシェールと呼ばれる頁岩の中の膨大な石油及び天然ガスが、新しい掘削技術革新により利用可能となった。今後二十二世紀まで石油はバーレル当たり20ドルから40ドルとい一九九〇年代と同じように低い価格となる。

これから世界は二十世紀の石油文明から新しいシェールオイルとシェールガスおよび自然エネルギー文明へ移行するのである。

最も効果的な戦争抑止は自国のエネルギーを自然エネルギーである地熱や太陽や風力エネルギーで賄うことである。

日本には世界三位の地熱資源が地下に眠っている。
原発23基分のエネルギーが眠る地熱資源大国である。

二十一世紀の平和は世界中のどの大陸にも広く賦存するシェールオイルやシェールガス、特に、日本は日本近海に眠る巨大なメタンハイドレートエネルギー開発を推進すべきである。

そして、究極の平和を実現できるエネルギーは再生可能な持続可能エネルギーである地熱、太陽、風力、水力、潮力などの自然エネルギーの普及により創られるのだ。原発が日本で完全にゼロになった二〇一三年九月から二〇一五年八月までの二年間、原発をゼロにする戦略を選択できるチャンスがあったはずだ。マスコミは原発がゼロになると日本経済は沈没すると危機をあおった。
しかし、すべての原発が停止した日本経済は経済収支が二年間にともプラス。

日本は二〇一四年末の対外純資産三百六十六兆八千五百六十億円となり四年連続で増加し、過去最高を三年連続で更新した。
日本は24年連続で世界最大の債権国となった。第二位は中国で二百十四兆三千六十三億円、第三位はドイツで百五十四兆七千五十五億円。

さらに、二〇一五年は所得収支と貿易収支を合算すると、半期でプラス八兆円、通年では十八兆円のプラスになると予想されている。

二〇一六年はシェール革命で著しく原油価格が下がり二〇一六年は二〇〇〇年代の当時に匹敵する二十兆円を超えるプラスになる。
二〇一五年十二月
アメリカ議会が四十年ぶりにアメリカ産の原油や天然ガスの海外への輸出を決定。
このアメリカ発のシェール革命が世界のエネルギー事情を一変させた。
OPEC諸国もアメリカのシェール石油・ガス生産に対抗するためと増産を強硬に維持するロシアをけん制するために原油減産をしない決定をした。
それにより世界的な石油価格がバーレル当たり110ドルから30ドルまで急落した。この状況は三十年前のエネルギー事情に酷似している。日本では、第二次オイルショックと米国のスリーマイル原発事故やソ連のチェリノブイリ原発事故を受け再生エネルギー開発が国家的急務の課題となった。政府は自然エネルギーを加速させるためにサンシャイン計画やニューサンシャイン計画を決定。しかし、その機運も世界中が日本企業の省エネ技術に影響を受け、省エネ運動に取り組んだ結果、逼迫した原油市場が緩むと、原油価格が30ドルから15ドルに急落した。

原発事故の記憶が風化し始めた日本では、再生可能な自然エネルギー開発も直ちに中止、原発の新規建設に邁進した。

日本の原発は自然災害については、絶対に事故が発生しない多重の安全システムがなされていると説明されてきた。しかし、それも想定外の巨大地震や津波には脆弱であることが東日本地震で発生した福島原発事故により明らかになった。
原子炉本体が強固に造られていても、冷却ポンプや配管、送電線や送電線施設や非常用電源装置、燃料タンクなどが損傷するだけで原発がメルトダウンという大事故を起こすことがテロリストたちに知られてしまった。とくに、日本の原発はテロによる攻撃についてはほとんど想定されていない。特に、航空機やロケット、ミサイルなどを使用した上空からの放射性廃棄物保管施設や使用済核燃料プール、送電線施設などの原子炉以外の関連施設攻撃についてはその危険性は建設当時から政府内部極秘資料で指摘されていたが無視されてきた。再稼働に当たり、警備が増強された原発には銃を持たない民間警備企業の警備員のほか三名から五名の警察人員が常駐するように強化された。

なかでもプルサーマル原発が狙われた場合は、被害が甚大となる。
プルサーマルには以下のような欠点が指摘されている。
《再処理にかかわる部分軽水炉からの高レベル核廃棄物をそのままガラス固化させる場合と比べ、核燃料を処理する工程が増えるため事故が発生する確率は相対的にやや高まる。
使用済み防護服や、廃水など低レベル廃棄物も含めた最終的な核廃棄物の総量はかえって増える。
冷戦終結後、ウラン資源の需給は安定しており、再処理費までMOX燃料の製造コストの一部とみなすと経済的に引き合わない状態になっている。プルトニウム垂れ流しのワンススルーで、使用済み核燃料を数万年監視するコストを考えないならば、ワンススルーに比べれば、再処理で抽出しプルサーマルで焼却する手間をかける分 不経済。
MOX燃料の軽水炉での燃焼にかかわる部分プルトニウムは遅発中性子がウランより少なく、やや制御棒の効きが悪くなるので「ウランを想定して設計された炉で燃やす場合」は、最初は三十三パーセント装荷などで様子を見ることが必要となる。高速増殖炉と比べて燃焼中に核燃料の高次化が進みやすく、特に中性子吸収断面積の大きいアメリシウム等が生成されやすくなる。核燃料の高次化が進むと核分裂反応が阻害され、臨界に達しなくなってしまい、核燃料として使用できなくなる。上記と関連し、事故が発生した場合には従来の軽水炉よりプルトニウム・アメリシウム・キュリウムなどの超ウラン元素の放出量が多くなる。原子炉の運転や停止を行う制御棒やホウ酸の効きが低下する。一部の燃料棒のみにMOX燃料を入れると、発熱量にムラが生じる。温度の不均衡が進行すると、高温部の燃料棒が破損しやすくなる。水蒸気管破断のようなPWRの冷却水温度が低下する事故や、給水制御弁の故障のようなBWRの炉内圧力が上昇する事故が発生した場合において、出力上昇速度がより速く、出力がより高くなる(対処するために燃料体の設計および原子炉内での配置に工夫が必要》『プルサーマル – Wikipedia』より

しかし、国家生存戦略研究会会長の矢野義昭氏などのテロ対策専門家はそんな警備体制では、とうてい、イスラム国や北朝鮮などのプロのテロリスト攻撃には十分でないと指摘している。「一ケ所の原発につき、重装備の武装した最低六百名の原発テロ対策特殊部隊が昼夜交代で常駐すべきである。交代要員や後方支援要員も含めて総員四万~五万名を17ケ所の原発立地に原発テロ対策特殊防衛隊を配置するべきである」と警告してきた。電力会社は原発の電力コスト増加から反対、また政府も原発立地を受け入れた地方自治体の住民に対して「安全で平和な施設」の原発イメージが損なわれるとして、この報告書を無視し、なんらの危機感もないまま「原発テロは起こらないだろう」と考える日本政府と電力会社こそ日本の安全保障の最大の敵である。

ある原発設計技術者が二〇〇七年に、≪山田太郎≫というペンネームで「原発を並べて自衛戦争は出来ない 原発と憲法の関係」と題する次のような論考を発表し物議をかもした。

「日本の原発は設計条件には武力攻撃を最初から想定していない。いかに発電コストを下げるか経済性を最優先した設計になっている」
「北朝鮮は核搭載のミサイルを発射する卑劣な国であるという性悪説で語る。しかし、その悪魔の国でも日本の原発だけは攻撃しない善意の持ち主であるという性善説を信じている」
「憲法を変えて正規の軍隊を保有すれば日本を守れると主張するのであれば原発に対する武力攻撃があること覚悟し、真剣にその場合の原発防護策を検討すべきである。原発に対する≪自爆的ゲリラ攻撃≫に対しては正規軍であろうと無力であると認めたうえで、具体的にどんな防衛策があるか提示すべきである」つまり、54基の原発を造るということは54個の自爆用の核兵器を原発敷地内に持つということ。北朝鮮が核ミサイルを搭載したミサイルを発射しなくても、通常のロケット砲や、数人の機関銃で武装した戦闘員で日本の無防備ともいえる原発を攻撃すれば核爆弾攻撃と同じ被害を日本に与える事ができる。

外国では原発立地の上空を守る対空ミサイルを配備している例もある。
アメリカやロシアや中国などと異なり、日本は狭い国土に多くの原発を建設した時点で国民が避難でき、かつ敵国に報復できるという選択肢を放棄したともいえる。日本は敵の原発テロ攻撃を想定すると日本は一億玉砕を覚悟しないと戦争ができない国なのである。

日本人は「起こってほしくないことは絶対に起こらない」と思考する。
その欺瞞に満ちた安全神話の中で、特に原発に関してはそのような思考の下で、すべての安全対策を先送りして原発を推進してきた。鹿児島県の川内原発再稼働する基本条件として計画されていた免震重要棟も建設をさせぬまま政府は再稼働を決定した。

イスラム国や北朝鮮、中国、韓国の反日工作員によるテロの可能性が懸念されるほかに、地震や火山による原発事故も起こりうる時期に突入した。日本列島千年ぶりに活動期に入ったといわれる。強大な南海トラフ地震や関東大地震、阿蘇や桜島などの火山の大爆発がいつ発生してもおかしくないタイミングで全国の原発再稼働を急ぐ日本は異常としか思えない。危機管理について重大な危機を想定すると思考停止になる国民性、口に出したら、忌むべき出来事が起こるという言霊思想が危機を真正面から考え、合理的な対策を事前に練ることを妨げている。

日本人は歴史から学ぼうとしない。

欧州各国で、他国のスリーマイル原発事故やチェリノブイリ原発事故や福島原発事故を、国民自らの問題として考え、国民が原発を廃止又は減少させる決議をしている。
興味深いことに、第二次世界大戦で日本と共に連合軍と戦った同じ敗戦国として、連合国側から敵国条項により、核兵器保有の夢を絶たれている日、独、伊三ケ国の中でも日本にだけ核兵器を持ちたいとあきらめない保守勢力が存在する。これにより、原発再稼働についてその対応は全く異なっている。

福島原発事故の後ただちに、ドイツではそれまで原発を推進していたメルケル首相は順次、原発を廃止することを決定し、自然再生エネルギーの割合を高めていく選択をした。イタリアでも福島原発事故の三ケ月後に原発再稼働を推進するベルルスコーニ首相に対し、国民投票を要求その結果、95%の国民が原発再稼働反対を決定した。

なぜ原発事故を体験し、世界で唯一のアメリカによる多くの民間人を対象にした原爆テロを二回も経験をした日本が原発を続けようとするのか?日本の保守勢力が、核武装したいという悲願を抱いていることもその理由の一つではあるが、それはアメリカからの強い命令があったからである。
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by masashirou | 2016-02-08 20:29  

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