全国の地熱発電所約54万キロワット;東北7ヶ所で約24万キロワット九州9ヶ所は約22万キロワット発電

日本の地熱発電は北海道1ヶ所、東北7ヶ所、九州9ヶ所と九州が一番多い。全体で約54万キロワットで、0.2%しか発電量としては占めていない。しかし、九州の地熱資源量は原発10基分が国立公園内に眠っている。世界で第3位の地熱資源大国であるが、地熱発電量は世界ランキング7位である。第1位アメリカ原発30基分のうち309万キロワット発電中、第2位インドネシア原発28基分のうち120万キロワット発電中、第3位が日本原発23基分のうち54万キロワット発電中である。この15年間の間、日本の地熱利用が停滞し、進んでいないかが解る。

資料:世界第3位のエネルギー資源保有国、日本
 日本が世界第3位のエネルギー資源保有国だと聞いても、にわかには信じられないかもしれない。しかし、地熱エネルギーに関しては、これは紛れもない真実だ。産業技術総合研究所(産総研)地圏資源環境研究部門地熱資源研究グループの村岡洋文研究グループ長は、「地熱資源量は、ほぼ活火山の数と相関する。火山国である日本は、圧倒的な地熱資源大国だ」と語る。推定される地熱資源量は、米国の3000万kW、インドネシアの2779万kWに続く2347万kWとされている。
 だが、日本国内の地熱発電設備容量は53万5000kWにとどまる。これは、総発電設備容量のわずか0.2%にすぎない。そしてこの数値は、世界的にみると設備容量では7位で、2008年には急伸するアイスランドにも追い抜かれている。

■地熱資源量では世界トップクラス

活火山数と地熱資源量の世界ランキング
 国名         活火山       地熱資源量(万kW)
米国          160         3000
インドネシ      146         2779
日本          119         2347
フィリピン       47          600
メキシコ        39          600
アイスランド      33          580
ニュージーランド    20          365
イタリア        13          327

世界各国の活火山数と地熱資源量。日本は世界第3位の地熱資源大国であることがわかる(出所:産業技術総合研究所)

 近年、世界的には地熱発電容量が急伸しており、1990年には600万kW程度だった設備容量が、2007年には1000万kWを突破している。ここまで地熱発電が注目される理由の一つは、発電所から排出される二酸化炭素(CO2)が建設時を含めて考えても極めて少ないことだ。理論的には、発電時に排出されるCO2はゼロとされ、設備建設時の排出量を考慮しても1kWh当たりのCO2排出量は15gと水力発電の11.3gに次いで少ない。「実際には、くみ上げる水蒸気の中にCO2が混じっている場合もあり、それを考慮すればもう少しCO2排出量は増える可能性もあるが、それでも極めて少ない発電方法であることは間違いない」(村岡研究グループ長)。
 地熱発電のもう一つの特徴が、設備利用率の高さだ。太陽光発電や風力発電などは天候に左右されるため、年間での設備利用率は約20%程度にとどまるが、地熱発電は70%を上回る。しかも、これは法定点検のために運転をストップしている期間を含めたもので、「それがなければ90%を上回る。これは原子力発電よりも優れた数値」(村岡研究グループ長)という。設備容量では国内の総発電量の0.2%にとどまる地熱発電だが、設備利用率に優れるため、発電電力量ではその割合が0.28%にまで増加する。

■CO2の排出が極めて少ない地熱発電

発電方法ごとのCO2排出量の比較(建設時に排出されるCO2も含めたもの)。これはバイナリーサイクル方式の数値だが、蒸気フラッシュ方式も排出量は少ない(出所:産業技術総合研究所)


出光地熱開発が蒸気部門を担当している大分県滝上地熱発電所は平成7年に開業して15年目、数年前に、熱水と蒸気が自然に増加して現在2万5000KWから2万7500KWに発電能力が増えています。これは珍しい現象です。この滝上地熱の成功例の特徴は地熱兆候が全くないところでアメリカの探査技術を導入して、また海洋油田開発で使用されている一つの基地から傾斜堀の技術を導入して開発された深部地熱開発方式だある点です。この開発方式は今年国立公園内の地熱探査が許可されましたが、公園の景観と共存出来る開発モデルという点です。また、地下の地熱資源を守るために熱の上流から熱水を取り出して、下流の方に熱水を還元するという安定的な地下熱水の収支バランスを初めから考量した還元システムを取り入れた開発モデルを開発当初から取り入れて生産と還元の基地のレイアウトを作成した点です。
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出光滝上地熱発電所の写真



資料1)76の市町村 自然エネルギーで民生用電力需要をまかなう

千葉大学と環境エネルギー政策研究所は2007年7月9日、2006年の日本国内における再生可能な自然エネルギー供給の実態を地域ごとに試算した結果を発表した。76の市町村で、再生可能エネルギーによる発電によって、区域の民生用電力需要をすべて賄っており、4県で同じく電力需要の20%以上を賄っているが、一方9都府県では1%以下であることが判明した。

再生可能な自然エネルギーによる電力供給量は、小水力(1万キロワット以下の水路式)が59.8%を占め、以下、地熱(18.1%)、風力(12.4%)、太陽光(6.0%)、バイオマス(3.7%)、合計では民生用電力需要量の3.35%。

上位4県は、大分県(30.8%:地熱+小水力)、秋田県(26.3%:地熱+小水力+風力)、富山県(23.4%:小水力)、岩手県(20.2%:地熱+小水力+風力)。発電量が需要の10倍を上回る町村は、福島県柳津町、大分県九重町、群馬県六合村、青森県東通村。

発表では、急峻な地形と豊富な降水量があるので、小水力発電にさらに注目すべきこと、都市自治体では、自然エネルギー証書の購入などの形で、自然エネルギーの普及拡大に寄与すべきことなどを提言している。(千葉大学とNPO法人環境エネルギー政策研究所がまとめた調査結果)

温泉発電(温泉水温度差発電)
直接入浴に利用するには、高温すぎる温泉(例えば70~120℃)の熱を50℃程度の温度に下げる際、余剰の熱エネルギーを利用して発電する方式である。熱交換には専らバイナリーサイクル式が採用される。
発電能力は小さいが、占有面積が比較的小規模ですみ、熱水の熱交換利用するだけなので、既存の温泉の源泉の湯温調節設備(温泉発電)として設置した場合は、源泉の枯渇問題や、有毒物による汚染問題、熱汚染問題とは無関係に発電可能な方式である。 地下に井戸を掘るなどの工事は不要であり確実性が高く、地熱発電ができない温泉地でも適応可能であるなどの利点がある。

日本ではイスラエルのオーマット社製のペンタンを利用した発電設備が八丁原発電所で採用されている。発電設備1基あたりの能力は2000kW(BWR-4型原発のおよそ400分の1の定格で一般家庭に換算して数百世帯から数千世帯分の需要を賄う)で、設置スペースは幅16メートル、奥行き24メートルとコンビニエンスストア程度の敷地内に発電設備が設置されている。朝日新聞の報道によれば、日本国内にはバイナリー発電に適した地域が多く、全国に普及すれば原子力発電所8基に相当する電力を恒久的に賄うことが可能であるとの経済産業省の見解がある。



■地熱発電所既設一覧 (※自家用発電)

 発電所名
 事業者名
 所在地
発電出力(kw)
 運開年月
 森地熱発電所 北海道電力(株)
 道南地熱エネルギー(株)北海道森町 50,000  昭和57年11月
 ※大沼地熱発電所 三菱マテリアル(株) 秋田県鹿角市9,500  昭和49年6月
 澄川地熱発電所 東北電力(株)
 三菱マテリアル(株)秋田県鹿角市50,000  平成7年3月
 ※松川地熱発電所  日本重化学工業(株)岩手県松尾村23,500  昭和41年10月
 葛根田地熱発電所1号  東北電力(株)
 日本重化学工業(株)岩手県雫石町50,000  昭和53年5月
 葛根田地熱発電所2号 東北電力(株)
 東北地熱エネルギー(株)岩手県雫石町30,000  平成8年3月
 上の岱地熱発電所 東北電力(株)
 秋田地熱エネルギー(株)秋田県湯沢市28,800  平成6年3月
 鬼首地熱発電所 電源開発(株) 宮城県鳴子町12,500  昭和50年3月
 柳津西山地熱発電所 東北電力(株)
 奥会津地熱(株)福島県柳津町65,000  平成7年5月
 八丈島地熱発電所 東京電力(株)東京都八丈島3,300  平成11年3月
 ※岳の湯地熱発電所 廣瀬商事(株)熊本県小国町105  平成3年10月
 ※杉乃井地熱発電所 (株)杉乃井ホテル 大分県別府市3,000  昭和56年3月
 滝上地熱発電所  九州電力(株)
 出光大分地熱(株)大分県九重町25,000  平成8年11月
 大岳地熱発電所 九州電力(株)大分県九重町12,500  昭和42年8月
 八丁原地熱発電所1号 九州電力(株)大分県九重町 55,000  昭和52年6月
 八丁原地熱発電所2号 九州電力(株)大分県九重町 55,000  平成2年6月
 ※九重地熱発電所 九重観光ホテル大分県九重町900  平成10年4月
 大霧地熱発電所 九州電力(株)
 日鉄鹿児島地熱(株)鹿児島県牧園町30,000  平成8年3月
 ※霧島国際ホテル地熱発電所 大和紡観光(株) 鹿児島県牧園町100  昭和59年2月
 山川地熱発電所 九州電力(株)
 九州地熱(株)鹿児島県山川町30,000  平成7年3月
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by masashirou | 2011-06-30 00:14  

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