西洋が世界を支配した時代が変わり始めています

 二〇〇七年、サブプライムローンで破綻の危機に瀕した、アメリカの金融大手のシティバンクや、大手証券会社のメリルリンチに対し、シンガポールやアラブ諸国の政府系ファンドが、二〇〇億ドルを超す巨額な出資をしました。
 西洋が世界を支配した時代が変わり始めています。
 例えば、地政学的に日本は、いち早く西洋の時代に東洋から抜け出し、アジアで唯一西洋的帝国主義国家、工業国家として、発展しました。しかし、これから日本は、東洋の時代の幕開けに対応して、再び東洋の国としてアジア・シフトを開始するのです。 陰陽思想では、奇数は陽の数字、偶数は陰の数字です。一、三、五、七、九は幸福を呼ぶ陽の数字と考えられています。特に、九は陽の極まった素晴らしい数字で、無限の尊さ、最高の徳や、崇高なものの象徴と考えられています。古代中国では、国を九つに分けて、国土を『九州』と呼んでいました。また、天も九つに分けて、宇宙を『九天』と呼んでいました。
 二十一世紀は、中国が世界に大きな影響力を持つ時代です。日本には、地政学的に、その中国の繁栄を享受する島があります。その島が、“幸運の大地”という意味を持つ『九州』という名前の島です。その九州には、東洋の時代の一六〇〇年前から八百年間、つまり、四世紀から十一世紀に、アジア大陸文明の玄関都市として発達した都市があります。その都市が、日本の中心の都市として復活するでしょう。それは、二〇〇六年に、世界で最も活気のある十都市として、『ニューズウィーク』誌にノミネートされた都市、また、英国の有名な情報誌『MONOCLE』にグルメとファッション分野ランキング世界第一位と紹介された福岡です。そして福岡には『憎しみ』や『怨念』を鎮魂する神社の総本山である太宰府天満宮という神社が存在します。今後、日本のスピリチュアルな聖地として重要な場所になるでしょう。
 また、この太宰府には、日本がアジアと共に生きた時代の遺跡や、近年設立された国立博物館には、『東洋の一員として発展した古代日本の記憶』が数多く残されています。日本人に、失われた『黄金の八百年の記憶』を呼び起こさせ、今後日本がアジア・シフトする精神的聖地となり、かつ東洋の各国の首脳たちが訪れる重要な文化的・政治的な聖地になるでしょう。今後、福岡が、一六〇〇年前のように、日本の最も重要な中核都市として、二十一世紀の成長するアジア世界とともに歩む再生する日本を牽引するでしょう。欧州各国にも、日本、九州、そして福岡の研究の重要性が増すと思います。今後四十年にわたり、アラブや中国、シンガポールなどの政府系ファンドが投資をこの福岡に集中させ、大きな発展を遂げるでしょう。
 西洋にとって、東洋と西洋の文化が融合した日本文明は、西洋が沈滞する八百年の時間を生き残るために、躍進する東洋との架け橋の文明になるでしょう。このように、パラダイムが大きくシフトするのです。
 私たち欧米人は、この歴史の大変化に謙虚に対応しなければならない運命なのです。自然とは人類が支配するものではなくて、日本人のように人類も自然の中の一部であり、自然との共存を大事に思う心、精神を学ばなければならないのです。自然は多様性と相互扶助、共存の原理を人類に教えています。
 近年自然と人類がともに進化しようと試みた古代文明が発見されました。ブラジルとボリビアに拡がるモホス文明です。この文明は、人類が自然を克服しながら進化を求めるものではありません。自然のシステムをうまく人類の文明の進化に取り込み、自然と共生しながら高めていこうという“共進化文明”です。興味深いことに、その大地から発掘されたシャーマンの人骨のDNA分析から、この文明を創造した民族は、古代日本の人骨と一致しています。自然の大きな意志に従って生きる知恵を持つ、原日本人の智恵を、われわれ欧米人は、謙虚に学ぶ時が来ました。アジアでも、中近東でも、欧州でも、世界中、過去の怨みを永遠に忘れず、復讐のための報復戦争を繰り返している現代国際社会において、この人類の文化遺産ともいえる『日本精神』を、われわれ欧米社会も、大いに学ぶべきだと思うのです。
 今こそ、たった一人の人間を殺しても怨念を受ければ呪い殺されるという日本的思考を、世界に広める時が来たように痛切に感じます。そして、その科学的な証明を、ロナルド仮説が担うことができれば光栄です。
 東洋では、『怨みに報いるに徳を以て報いなさい』という言葉を老子が残しています。また、『新約聖書』では、キリストは、『悪人に手向かってはならない。誰かが右のほほを打つなら、左のほほをも向けなさい』、『敵をも愛しなさい。敵を許し、自分を迫害する者のために、祈りなさい』という言葉を残しました。復讐に対する人間のあり方を教えています。この世界も、この二人の偉大な賢人の言葉に従い、『復讐のない理想郷』を、最後には実現できると確信します。
 アポロから映し出された地球は、暗黒の宇宙に浮かぶ青い小さな星でした。有限なる地球の資源を奪い取る考えは、二十一世紀には、通用しないのです。
 『分かち合う』、『共に生きる』共存の道を求めるべき時が来ました。
 現在も、また、将来においても、カオスが支配する地球の気温変化を科学的に推測できないために、地球温暖化問題は、二十一世紀の偉大な仮説で終わるかもしれませんが、最大の貢献があるとしたら、地球規模の危機を、あらゆる国が深く認識することで、すべての人間が繋がっていることを初めて意識させたということです。二酸化炭素の排出権とは、残された大気を汚染する権利を分かち合う権利といえるでしょう。自分以外の、見知らぬ人の見知らぬ国の、利己的な行為によってすべての人類が滅亡する。このことは、初めて人類がお互いにあらゆる境界や区別を乗り越えて協力するきっかけとなる、福音かもしれないのです。『文明の衝突』というのは、文明の根底にあるものが異なるという恐怖を植えつけるために創られた幻想です。
 世界の宗教の根底では、同じサムシング・グレートの存在を讃えています。根源的存在について、古代からユーラシアの多くの文明の中に存在していました。
 古代ギリシャ文明では『太陽神ゼウス』
 ローマ文明では『木星の神ジュピター』
 バビロニア文明では『アヌ』
 イスラム文明では『アラー』
 ユダヤでは『ヤハウエ、エホバ』
 キリスト教では『ゴッド』
 インドでは『梵天』
 中国では『天』
 日本では『神』
と、それぞれ、異なる名前が付けられました。今、世界を大きな憎しみの連鎖に導いている、争いの根源の宗教であるユダヤ教、キリスト教、イスラム教の三つの宗教は、同じ『旧約聖書』を聖典とする同根の宗教であります。同じ先祖を持つ三つの一神教の宗教が、今、憎み合い、世界を果てしない戦争の渦に引き込もうとしているのです。根源の神は唯一であるが、神の多くの具現の姿を認め、それぞれの『神』を信仰する多神教は、古い未開の遅れた宗教であるという進化論的宗教概念は、果たして正しいのでしょうか?
 何事の おわしますかは知らねども
   かたじけなさに 涙あふるる

 十二世紀の中世の日本の仏教徒である西行法師が、この歌を詠みました。この僧侶が、異なる宗教の伊勢神宮を訪れた時、神社の参道に流れる清らかな川の前で心を激しく打たれて詠んだ歌です。
 人の心を感動させる尊い存在、『サムシング・グレート』という存在は同じなのです。世界は、ただ名前が違う『尊いもの』を信仰し、その名前のために殺し合っています。この日本的精神をわれわれは大いに学ぶべきだと思うのです。根源は、同じサムシング・グレートの存在を讃える、同じ宗教だったことは歴史的事実です。同じものを信じる文明同士が、衝突するはずはないのです。人間が付けた名前が異なるという理由だけで、多くの人間たちが殺し合いをしています。私は必ず、お互いの違いを超えて理解し合い、和解し、共存することができると信じています。
 今、世界は憎しみの連鎖の中にいます。私は悲観していません。なぜなら、最も怖いのは、一度見た記憶が変わらないと思い込むこと、そして、無関心になることですから……。相手を『憎む』という限り、つまり、相手に関心がある限り、変わることができるのです。最も怖いのが、IT技術がすすみ、大衆の心に蔓延する現実の社会問題に対する『無関心の心』です。最後に、私が敬愛するマザー・テレサの大好きな言葉を述べさせていただきます。
  愛の反対は憎しみではありません。愛の反対は無関心です。
 今回の事件は、女帝マリア・テレジアの怨念が引き起こしたテロ事件でした。しかし、私の仮説は、まだまだ多くの科学的検証の試練を受けなければならないと思います……。ロナルド仮説が正しいと証明された暁には、全人類が『汝の敵を愛し』、憎しみのない世界実現に関心を持ち続けること。パンドラの箱から、災いの悪霊たちがこの世に溢れ出た後に、箱の底に残っていたのは、小さな希望でした。希望があれば、人類は生きることができます。諦めないこと。そして、平和な世界を強く願うことが、平和な世界を築く第一歩だと思います。有難うございました」
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by masashirou | 2010-05-30 15:17  

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