シュリーマンと日本

探検九州のコメント
北ドイツの貧しい牧師の子に生まれたドイツの考古学者ハインリッヒ・シュリ-マンは、少年時代にホメロスの物語に魅了されてトロイの木馬で有名な伝説のトロイアの都の実在を信じ、いつかその発掘をしたいと夢を抱きます。そして、ロシアで成功し、41歳で全ての経済活動を打ち切り、43歳で世界漫遊に旅立った後、44歳にパリで考古学を学び、49歳で1871年にトロイアを発掘します。その偉業の6年前、1865年、世界漫遊の旅で、幕末の日本に1ヶ月滞在しました。NHKの大河ドラマ「龍馬伝」の主人公坂本龍馬が暗殺される2年前の日本です。ハインリッヒ・シュリ-マン著、石井和子訳「シュリーマン旅行記 清国・日本」の中に次の文章があります。

入れ墨をした船頭たちは私を埠頭の一つに下ろすと「テンポー」と言いながら指を4本かざしてみせた。労賃として4天保銭を請求したのである。これには大いに驚いた。それではぎりぎりの値ではないか。シナの船頭たちは少なくともこの4倍はふっかけてきたし、だから私も、彼らに不平不満はつきものだと考えていたのだ。日曜日だったが、日本人はこの安息日を知らないので、税関も開いていた。二人の官吏がにこやかに近付いてきて、オハイヨ〔おはよう〕と言いながら、地面に届くほど頭を下げ、30秒もその姿勢を続けた。次に、中を吟味するから荷物を開けるようにと指示した。荷物を解くとなると大仕事だ。できれば免除してもらいたいものだと、官吏二人にそれぞれ1分(2.5フラン)ずつ出した。ところがなんと彼らは、自分の胸を叩いて「ニッポンムスコ」〔日本男児?〕と言い、これを拒んだ。日本男児たるもの、心づけにつられて義務をないがしろにするのは尊厳にもとる、というのである。おかげで私は荷物を開けなければならなかったが、彼らは言いがかりをつけるどころか、ほんの上辺の検査で満足してくれた。一言で言えば、たいへん好意的で親切な応対だった。彼らはふたたび深々とおじぎをしながら「サイナラ」と言った

シュリーマンは文明が劣ると考えていたアジアの未開の国、日本の普通の庶民のモラルの気高さと清潔な町や通りに驚きかつ感心し、以後日本びいきとなるのです。
今日の特集の離島の4人の小学生の為に4人の先生と給食を運ぶ2人の先生が働いているシーンは私を驚かせました。事業仕分けで有名な女性政治家なら「先生は2人ではだめなんですか?給食は家からの弁当ではだめなんですか?」と詰問するだろうなぁと思いました。しかし、日本が世界で2番目の経済大国になれたのは江戸時代の寺子屋教育やこのような戦後も完璧なまでの義務教育制度だと思います。もし、シュリーマンが一緒にこの番組を見ていたら、これが日本の強さの源泉だと感想を言うだろうと思いました。教育こそ21世紀日本の財産です。離島の初等教育を支える先生達に感謝します。ではまた来週。
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by masashirou | 2010-05-27 12:35  

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