老子の5つのキーワード「龍」
老子は龍のようだと孔子が面会後に弟子たちに語ったというエピソードを史記に司馬遷が書き残している。
龍は西洋では悪魔の象徴。東洋では神聖な生き物。
イラクのバクダッドを境に全く異なるイメージを持つ不思議な動物だ。
老子も陰と陽、二つの矛盾する異なる2つのイメージを持つ不思議な人物である。
老子はいいことも悪いことも相対的な見方で大きな宇宙的な視点からは大きな差は無いと言う。
善と悪、正義と不正義や人間社会を鋭く区分し、その区分に従い完璧な理想の関係と秩序を要求する孔子にとって理解不能のまるで龍のような人物だと感じたのは無理もない。
老子は龍の視点を持てと言う。
視点を自由に、相手の立場から見る複眼思考を常に持てと言う。
立場が変われば全てが真反対の見方が出来る。
龍は稲作民族には恵みの雨をもたらす聖なる神である。
しかし、洪水を起こす神でもある。
聖なる面と悪なる面を併せ持つ神である。
龍の姿を見た人は誰もいないのに多くの龍の絵画が残されている。
龍をみたいと思う人が龍を見ることが出来る。
ヒマラヤ上空で撮影されたりゅうのが飛ぶ映像として話題になっつた写真
見えないものを見る力。
老子はその見えないものへの優しい視線を持てという。
花を支える茎や葉、そして地面の下で目に見えないところで花や茎や葉に栄養分を送り続ける根
の力を見る力を大切にしなさいと言う。
老子は人生で本当に大切なものは全て目に見えないと言う。
幸福や愛情や友情や優しさなど本当にたいせつなものは目に見えないのだ。
日本人は老子のこの考え方を大切にしてきた。日本人は「お陰さまで」という言葉や「させていただく」という受身形で全てを語る。これは全てが自分の力で成し遂げられたのではない。
目に見えない力、多くの人のご縁やお力添えでこの成功があると考える。
みえないものに感謝する心を持てと老子は言う。
こうした考えをする民族は日本人だけだ。
by masashirou | 2010-05-20 18:38