ひも理論と存在

われわれの認識できる世界は、点の世界の0次元、線の世界の一次元、面の世界の二次元、そして、立体の世界の三次元、それに時間の世界の四次元、次元とは、われわれの存在する位置を特定する座標軸みたいなものです。われわれは、四次元の座標軸を使って、個別の存在を特定の時間の舞台の上に指定することが可能です。次元が高度になればなるほど、活躍できる舞台は大きくなります。三次元の世界の住人が時間という次元を手にすると、一時点のローマが舞台の物語から、過去から未来へ繋がる壮大な物語の主人公になれるのです。高度の次元の世界での普通の行いが、低次元の世界から見れば、不思議な超マジックや奇跡のように見えます。こうした別の次元の世界が存在することが証明できれば、死の世界の解明にも、また知識の宇宙バンクの解明にも貢献することでしょう。
 最新の素粒子物理学理論の『ひも理論』では、物質の根源をなす基本的な分離不可能な物体は、『ひも』で、原子や電子、中性子、それらを構成するクオークもすべて、『ひもの振動』で生じると主張しています。一つのギターの弦から、指で押さえる場所により異なる音が出るように、異なる振動で、あらゆる粒子が生じます。弦である『ひも』は、中国の二胡や日本の三味線やスペインのギターのように、複数の弦つまり複数の『ひも』が存在する楽器と考えられています。素粒子が『ひもの震動』で生じるというのは、まさに、山つまり陽と、谷つまり陰の波動がこの世のあらゆるものを生じさせているのです。陰陽の太極図の原理が宇宙の根本原理であることを意味しています。
 こう考えて見るとわかりやすいでしょう。『死ぬ』ということは、ギターの音が消えることと同じです。弦の震動が停止することです。その時、音は消滅します。しかし、指ではじくと、再び同じ固有の音が生じます。魂とは、その生命の固有の波動の記憶なのです。仏教でいう『空』という概念は、停止した弦の状態のことです。『無』から『有』がこうやって生じるのです。『死』が『無の世界』への旅立ちではないのです。死ぬことは、この世界から高次元の別の世界への旅立ちです。

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by masashirou | 2010-02-13 22:28  

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