「ワープした余剰次元理論

この十年の間に、別の研究分野の画期的な進歩があった。アメリカのアリゾナ大学の心理学者ゲーリー・シュワルツ博士の「動的システム記憶仮説」や、英国のケンブリッジ大学のルパード・シェルドレイク博士の「形式的因果作用説」、説明不可能なデザインや意志が、あらゆる物質に影響を与えていることを認める科学を創ろうという、アメリカの新しい科学運動といえる「インテリジェント・デザイン」理論などである。
 また、宇宙を「陽のこの世」と、実数と虚数の波動関数で形成されている「陰の複素数空間」の二重構造と考える波動関数宇宙理論や、人間の認識と観察が量子のふるまいや宇宙そのものに大きく影響すると主張する量子力学論や、人間が三次元で理解できない複数の世界が同時に存在するという、平行宇宙理論や、余剰次元宇宙理論、多重宇宙論などが次々と発表された。それにつれて、超心理学会にもロナルド仮説を見直す動きが出てきた。
 特に、ハーバード大学の美貌の女性理論物理学者リサ・ランドール博士が、一九九九年に発表した「ワープした余剰次元理論」は、目に見えない高次元世界の存在を裏付ける画期的な仮説として、ロナルドに勇気を与えた。





彼女は、台所の焦げないフライパンの「準結晶」と名前がつけられた、表面加工技術が作り出すコーティングこそが、われわれが認知できる三次元の世界以外に、高次元の世界が存在する証拠であると考えた。「準結晶」は、通常の結晶と異なり、法則性が見つからない謎の結晶である。しかし、高い次元の世界では、きちんとした法則性がある結晶になっており、三次元の世界では、情報が欠損して見える。つまり、「影」として映し出されるために、その法則性、規則性が認められないのではないかと主張した。また重力が、磁力などのほかの力と比べて非常に弱い力しかない理由として、重力は、別の次元の宇宙では、遙かに「強い力」として存在しているが、高次元の世界が湾曲しているために、三次元世界では「弱い力」になる。そして、重力が高次元の世界からこの世界に「影」として作用する力であるからという仮説を打ち立てた。
 これは、暗黒物質が膨大な重力を保持し、宇宙の暗闇に存在するという「陰の宇宙論」の解明にもなる画期的な理論である。また、別の高次元の世界、目に見えない「陰の世界」と目に見える「陽の世界」が何らかのつながりが有ること、両方の世界が準結晶などの「三次元世界では魔法のような働きをする、不思議な技術」や現象、「重力」や「思念」などの弱い力で、ワープする未知の通路が存在することも説明できる、革新的な仮説であった。

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by masashirou | 2010-02-12 00:22  

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