映画「ミッテランコード」日本語脚本その2

○不思議なモニュメント前の広場 夕方

ウォン「幻覚?」
ウォンは空を見上げる。ウォンは頭が二つある鷲を見る。
鷲が空に姿を消す。
ウォンは不思議そうに鷲を見る。


○シェーン・ブルン宮殿の大広間 夜

仮面舞踊会が開催されている。
欧州各地から招待された名士達が十七世紀の衣装と仮面で踊っている。
その中にウォン、ルーシー(アメリー)がいる。
ウォンはマリーに気づく。
ウォン「あの方は?」
ルーシー「フェルゼン家のお嬢様。そういえば、あなたのことを気にかけていらっしゃいました」
ルーシーがウォンをマリーに紹介する。
ルーシー「こちらは……、ごめんなさい。全て秘密のパーティーでしたわね。これも何かの縁かもしれないわ。お二人、一緒に踊ってみてはいかが?」
ウォンは手を差しマリーと踊る。
二人の踊りに注目が集まる。
二人は人目を避けるようにバルコニーに出る。


○シェーン・ブルン宮殿のバルコニー

マリー、シェーン・ブルン宮殿の『グロリエッテ』の門を見ている。
マリー、ウォンの視線に気づき、口づけを交わす。
ウォン「お名前は?」
マリー、首を振る。
ウォン「では、お顔を拝見させてください」
仮面を外すウォンの手を押さえ。
マリー「すべて、仮面下の秘密です」
ウォン「仮面?」
マリー「ラテン語の仮面を意味する『ペルソナ』が英語のパーソンの語源なのです」
ウォン「?」
マリー「人間は仮面をかぶり生きている動物なの。初めて会ったあなたにキスが出来たのも仮面のおかげかもしれません」
ウォン、去ろうとするマリーの腕を掴む。
ウォン「また、お会いできますか?」
マリー「それが運命なら、必ずお会いできると思います」
ウォン「運命?」
ウォン、思わずマリーの腕を離すと見詰め合う。
マリー「そう運命・・・」
マリーはその場から去る。
ウォン、マリーを追う。


○シェーン・ブルン宮殿 噴水前

マリーを見つけて走ってくるウォン。
ウォンは自分の首からネックレスの勾玉を外す。
ウォン「これを受け取ってください。母から『運命の人に出会ったら渡しなさい』と言われました」
マリー「まあ。これは?」
ウォン「陰と陽の勾玉です。私が陰を、貴女が陽を持っていてください」
マリーは不思議そうに勾玉を見つめる。
マリー「不思議な形ですね?」
ウォン「古代の日本の王が墓に埋葬した装飾品です。母が私にくれたものです」
マリー「そんな大事なものを・・・」
ウォン「ですから貴女にさしあげたいのです」
マリーは仮面の下で微笑むと、
マリー「わかりました。では、再会したときお返しします」
と、会釈する。
紳士淑女達がマリーを見つけて噴水の前にやってくる。
その中にルーシーとフランシナがいる。
フランシナ「ここで何しているの? 皆さんお待ちよ」
フランシナがマリーを宮殿の大広間に連れて行く。
ウォン「またお会いしましょう」
ウォンは大きな声で去っていくマリーに呼びかける。
マリーは振り返り手を振る。


○エッフェル塔広場

パリ市民が広場を埋め尽くしている。
会場のある特定の場所にゲッペル社のロゴマーク。
ウォンはオーケストラの演奏者たちを見る。
そして、指揮棒を振り上げる会場はしんと静まり返る。



蝋人形のマリー・アントワネットの表情が苦痛に歪むシーン。



ウォン、指揮棒を振り下ろす。
『魔笛』の演奏が始まる。
空から双頭の鷲が現れると辺りは光に包まれ過去へ……。


○ 10年前のフランス革命二百周年記念行事
1989年、7月14〜16日。フランス革命二百周年記念行事のメイン・イベントとして、フランスの大統領フランソワ・ミッテランは、パリ・サミットをラ・デファンスにある新凱旋門グラン・ダルシュで開催した。 完成したばかりの真っ白な姿のグラン・ダルシュは、高さと奥行が一一〇メートル、幅が一〇六メートルという、エトワール凱旋門の二倍以上の規模を誇る壮大な凱旋門である。


エトワール凱旋門の二倍以上の規模を誇る壮大な凱旋門が見える。


○ 1989年 フランス大統領官邸
デュマ外相、座っているミッテラン大統領に近づく。
デュマ「ついに成し遂げましたね」
デュマ、街を見渡しながら微笑む。
デュマ「大統領は、偉大な芸術家そして、偉大なる政治家……」
ミッテラン「私を傲慢だと思うかね?」
デュマ「まさか。しかし、閣下は、ついにレオナル・ド・ダヴィンチとナポレオン皇帝を超えたのです」
ミッテラン、立ち上がり新凱旋門グラン・ダルシュを見る。
デュマ「そして、そのナポレオンはこのパリをエジプトのルクソール神殿に似せてパリを改造しました。そして、大統領あなたはそれ以上の偉業を成し遂げられました」
デュマ、横目でミッテランを見る。
ミッテラン「念願の夢が叶った。君に感謝する。」
デュマ「閣下が、1963年にジャン・コクトー様から総長の座を引き継がれて、シオン修道会のふたつの夢である欧州統合と聖杯をお守りする事が同時に実現しました。シオン修道会が50年前に提案した旗がEUの旗になりました。喜ばしいことです」
ミッテラン「全てが、私に神が与えられた使命のように思える」
デュマ「閣下は、マリアさま、そしてその娘サラさまの遺体をガラスピラミッドの地下深いところに安置されました。それも永遠の秘密として封印されました……。歴代のシオン修道会の総長が誰も出来なかった偉業です」
ミッテラン「パリの市民が、私を『ガラスピラミッドの守護神スフインクス』と呼んでいる事は私の誇りである。私が作ったミッテラン国立図書館に、シオン修道会の存在を示す文献を全て収集させた。これらの資料が永遠に太陽の光を見ることがないようにお願いする」
デュマ「かしこまりました。シオン修道会は闇の中に封印されます。まさに、閣下は、偉大なる魂、キリストが人間であった証拠の聖杯とメロヴィング家継承されるイエスの血脈を永遠に守り抜くフランスの守護神です・・・」
ミッテラン「いつの日か、フランス人が誇りを捨てて他の国に従属しようとした時、私の魂は蘇る事を祈りたいものだ。かつてナポレオン皇帝のエジプト遠征の時、愚かなフランス兵がピラミッドの守護神スフインクスの鼻を銃で撃った時のように、スフインクスと呼ばれる私の指し示す道をフランス人が踏み違えることがあった時に・・・」
デュマ「誇り高きフランス人は決して他国に従属する道を選択することは無いと信じますが・・・」
ミッテラン「そう願いたいものだ・・・」

部屋のアナログの針が10:35分を指す。
ミッテランは、パリの蒼い空に描かれる白い十字架の紋様を見上げる。


○パリ上空

双頭の鷲がローズライン上を飛んでゆく。


○パリ市内の殺人現場

野次馬がパトカーの周りからマンションを覗いている。


19パリ郊外のマンション 404号室

切断された首と首がない女性の遺体が仰向けになって倒れている。
切断された頭部の耳の中に丸められた紙が押し込まれている。
スタン・ハーマン(36)フランス共和国保安機動部隊 隊長、
トニー巡査(32)フランス共和国保安機動部隊 隊員、
アンソニー巡査(25)フランス共和国保安機動部隊 隊員。
数名の捜査官たちが殺人現場の写真を撮る。

アンソニー巡査「また、首が切断されている。これで、この3日の内に5件目です……」
トニー巡査「被害者は、また20代の女性だ」
アンソニー巡査「犯人は何でこんな残虐な殺し方をするのか?」
トニー巡査「必ず犯人を挙げてやる」
ハーマン隊長「何か重要な手がかりを見落としていないか?」
アンソニー巡査「何故、犯人は被害者の髪を切断するのでしょうか?」
ハーマン隊長「深い意味があるはずだ・・・・」
ハーマン隊長は遺体の胸に束ねられた髪の毛を見る。
アンソニー巡査「これはなんだ……」
アンソニー巡査は耳の中の紙きれをピンセットで取り出す。
アンソニー巡査「犯人のメッセージですか?」
トニー巡査「開いてみろ」
アンソニー巡査「はい……」
アンソニー巡査はゆっくりと一枚の紙切れを開く。
『フランス語で書かれています』
トニー巡査「意味不明ですね。それにしても、18時間で殺人5件目。ただの殺人じゃないってジャーナリストたちが騒いでいますよ」
ハーマン隊長「まだ何も発表するな。とにかく被害者に共通点がないか、どんなに些細なことでもいい。徹底的に調べてくれ」


○オックスフォード大学

学生たちが大学に入っていくのが見える。
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by masashirou | 2009-12-10 09:38  

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